2)凝縮試験設備の設計
(1)まえがき
試作システムから実機システムヘ対応する場合、エンジンの出力アップ等により排ガス流量の増加、排ガス入口温度の上昇、冷却水流量増加の設計条件が異なってくる。これらに対応して最適な排ガス凝縮器を設計するためには、特に高温下で大量の炭酸ガスを含む水蒸気の凝縮伝熱特性(水蒸気の凝縮部では炭酸ガスは不凝縮ガスとして作用)ならびに一部水蒸気を含んだ高圧下での炭酸ガスの凝縮伝熱特性を明らかにしておく必要がある。
ここでは、次年度実施予定の凝縮試験装置の製作、凝縮伝熱特性試験を行うための試験設備の設計について述べる。
(2)凝縮試験計画概要
排ガス凝縮器入口における7MPa,280℃および5MPa,350℃の排ガス過熱状態の気体(蒸気)であり、凝縮は排ガス凝縮器内で冷却され240℃になるとまず水蒸気の凝縮が始まり、この凝縮にともない排ガスの温度低下および水蒸気の分圧低下(炭酸ガスの分圧上昇)が生じ7MPaで28.5℃および5MPaで14.5℃になると炭酸ガスの凝縮が起こる過程を迫る。水蒸気の凝縮過程では炭酸ガスが不凝縮ガスとして作用して水蒸気の凝縮を阻害し、炭酸ガスの凝縮器過程では水の液膜が抵抗となって炭酸ガスの凝結を阻害する。従って、図3.3-7のように水蒸気の凝縮部(水蒸気凝縮器)と炭酸ガスの凝縮部(炭酸ガス凝縮器)を分離し、また、水蒸気凝縮部出口で凝縮水を分離することで炭酸ガス凝縮の性能向上を図っている。
凝縮器試験では、排ガスの凝縮過程において水蒸気凝縮部ならびに炭酸ガス凝縮部の凝縮伝熱特性を明らかにすることを目標として計画を行った。
(3)試験システムの全体計画
排ガス凝縮試験装置の系統図を図3.3-10に示す。この系統の基本機能を以下に示す。この試験装置で計測・測定するものは温度、圧力、流量、凝縮量および凝縮成分(水と炭酸ガスの比率)である。
(凝縮量の測定)
水蒸気凝縮器から排出される凝縮水は凝縮水分離器(1)で分離、系内圧力を変動させないために液位制御を行いながら系外に排出し、流量計で測定する。
炭酸ガス凝縮器から排出される凝縮炭酸ガス凝縮炭酸ガス分離器で分離、液位制御および多段減圧・過熱(気化)を行いながら系外に排出、測定する。ここで多段減圧を行うのは凝縮炭酸ガスを急激に減圧した場合、炭酸ガスが固化するためである。この場合、凝縮炭酸ガスに含まれている凝縮水は凝縮水分離器(2)で分離・測定する。
(凝縮量制御)
水蒸気凝縮器での凝縮量は水蒸気凝縮器出口温度が炭酸ガス凝縮温度よりも僅かに高い温度となるように冷水流量を調節することで制御する。また、炭酸ガス凝縮
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